舞城王太郎 著「煙か土か食い物」(講談社文庫)個性的なスピード感あふれる文体!

こんにちは、ゆうじんです。

Kindleでセールをやっていたので、以前、文庫本で持っていた本を再読したいと電子書籍でも買ってしまいました。

それは、舞城王太郎氏の「煙か土か食い物」です。

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舞城王太郎氏とは

舞城 王太郎(まいじょう おうたろう)氏は福井県出身の作家です。学歴や職歴などの情報は公表されておらず、三島由紀夫賞の授賞式にも欠席されるほどの徹底ぶりで、謎に包まれています。

作風としては、個性の塊と言っても良いほどの語感、スピード感あふれる文体が特徴です。

代表作は、「煙か土か食い物」「阿修羅ガール」「好き好き大好き超愛してる。」などがあります。

小説「煙か土か食い物」とは

そんな舞城氏のデビュー作が、この「煙か土か食い物」です。講談社より2001年に出版され、第19回メフィスト賞を受賞しています。

(あらすじ)
 アメリカ在住の腕利きの救命外科医・奈津川四郎に凶報が届く。彼の母親が連続主婦殴打生き埋め事件の被害者になったとの連絡だった。
 故郷に戻った四郎を待つ血と暴力に彩られた凄絶なドラマ。
四郎は、母をこんな目にあわせた真犯人を探し始める。四郎は、犯人が残した手がかりを次々に解いていき、犯人に近づいていくが、、、。

四郎はアメリカに住んでいるため、彼の独白の中で、英語のフレーズがカタカナで出てきます。また、四郎の故郷、つまり、作品の舞台が福井県のため福井弁も飛び交っています。

ほとんど改行がない独特な文体と合わせて、まるでラップか何かを聞いているような気分になります。

私の感想は

人によって好き嫌いや評価がはっきり分かれると思いますが、私には率直に面白いと思いました。

事件を探る探偵、謎に満ちた数々の手がかりと、作品のジャンルは一般的にはミステリに分類されると思いますが、それらの謎やピンチを四郎は、天才的な知能や凄まじい暴力で難なく解決していきます。

この辺りは、かなりご都合主義といってもよく、冷める人は冷めるのかもしれません。しかし、実際の読後感はミステリというよりも、エンターテイメント性の高い娯楽小説を十分楽しめたという感じで、私にとってはこの本の面白さを減じるものではありませんでした。

また、これも賛否両論あるところですが、文体がかなり特徴的で受け付けない人もいると思います。本当に、独特なテンポと言葉遣いで、句点や改行も少ないです。

確かに最初はぎょっとしますが、慣れると独特の文体でハイテンションに疾走するドライブ感は唯一無二で、私は読み始めると止まりませんでした。

かなり暴力表現も激しいですが、ラストは四郎一家の家族小説としてまとまるところも読後感としては良かったです。

なかなか体験できない読書体験になると思います。気になった方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

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