瀬名秀明「パラサイト・イブ」(新潮文庫)面白かったです!

こんにちは、ゆうじんです。

最近、通勤時間に小説をまた読むようになってきました。

私は日常的に電子書籍を使っていますが、電子書籍は本当に便利だと思います。持ち歩びが便利ですし、購入もネットでサクッと買えます。

ただ、普段と違う趣味の本を読みたい時には、リアルの本屋さんにもまだ行きます。

ネットで購入すると、私の場合、どうしても自分の好みの本ばかり買ってしまうので、たまに違う畑の本も読むようにしています。どうするかというと、リアルの本屋さんでいつも見ている棚から10歩とか20歩とか移動する歩数を適当に決めて移動し、目の前にある本棚にある本を購入するようなことをしています。

たまに「えー、こんな本読まないよ」というものもありますがエイヤーで選んで、意識的に新しい情報に触れるように心がけています。効果があるかどうかは自信がないですが、ま、若い頃に比べて興味の幅は広がったように思います。。。

さて、前置きが長くなりましたが、今回読んだ本も実はそのようにして買いました。かなり発刊から時間が経っており、いつか読みたいと思いながら、未読だったものです。

それは、瀬名秀明氏の「パラサイト・イブ」です。

瀬戸秀明氏とは

瀬名秀明(せな ひであき)氏はSF・ホラー作家です。薬学の博士号を持っており、大学院在学中に「パラサイト・イヴ」で作家デビューしています。

著作としては「パラサイト・イヴ」「BRAIN VALLEY」「デカルトの密室」などがあります。生化学やロボット工学などを扱った作品が特徴です。氏の経歴を生かしたリアルな専門分野の記述は難しいながらも面白いです。

パラサイト・イブとは

パラサイト・イブは、そんな瀬名秀明氏のデビュー作です。1995年に発表され、第2回日本ホラー小説大賞を受賞しています。

(あらすじ)
 生化学者・永島利明の妻である聖美が交通事故に遭い死亡、腎バンク登録をしていた聖美からは腎臓が摘出される。
 絶望する利明だったが検視官である友人に頼み込み聖美の肝細胞を秘密裏に入手し培養を始める。
 Eve1と名づけられた聖美の肝細胞は驚くべき早さで増殖し、恐るべき未知の生命体へと変貌し、利明を求めて暴走をはじめるが、、、。

研究者としての経験や知識が存分に活かされたバイオホラー作品となっています。

ちなみに、パラサイト・イブは映画化も、ゲーム化もされ、メディアミックスでも成功した作品です。

映画では、主役の利明を三上博史さんが、聖美を葉月里緒菜さんが演じていました。ゲームはプレイステーションでスクウェアより2作発売されており、累計100万本のヒットとなっています。

私の感想

著者は実際に薬学部出身の研究者であり、実験のプロセスや説明が本当にリアルです。若干説明が長いなあと感じた部分もありましたが、知的好奇心が満たされます。専門性の高い内容ですが、文章は読みやすく、私でも理解することができました。

ストーリーは心霊系ではなく、バイオホラーです。

ネタバレなので書きませんが、専門知識に裏打ちされたストーリーは、特に前半の展開はこういうことあるかも」と思わせる面白さがあります。アイデアの勝利だと思います。

とても面白いので、未読の方にはオススメです。気になった方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

では。