十角館の殺人<新装改訂版>(講談社文庫)本格派推理小説にどっぷり

こんにちは、ゆうじんです。

GWで時間には余裕があるため、積まれていた本や、映画やゲームをたくさん満喫しています。

今日は、これまで何回も読んでいますが、また、時間のある時にゆっくり再読して楽しもうと思っていた本を読みました。

それは、綾辻行人 氏著の「十角館の殺人」です。

私はミステリも大好きで、他の作家や綾辻氏の著作も読んでいるのですが、この作品は率直に面白く、未読の方にぜひご紹介したいと思います(いつも通り、導入部のあらすじはありますが、ネタバレはなしです)。

本格派推理小説とは

その前に、いわゆる「本格派推理小説」「本格ミステリ」について、簡単にご紹介します。

これらは、推理小説のジャンルの一つで、謎やトリック、犯人探しなどを目的にした小説のことです。作品の中に、全ての手がかりが書かれており、読者もパズルを解くように推理を楽しむことができます。

日本では、一時期、リアリティがないという批判もあって、本格派推理小説の人気が低迷しましたが、80年代後半から90年代にかけて、綾辻行人氏のデビューをきっかけに改めてブームが起こりました。

アームチェアディテクティブのように、本を読みながら、自分が名探偵になった気分を楽しめます(私の場合は、ほとんど推理が当たることはありませんが、、、でも楽しいです)。

十角館の殺人 <新装改訂版> とは

「十角館の殺人」は、1987年に出版された推理作家・綾辻行人氏のデビュー作品であり、綾辻氏の「館シリーズ」の第1作となります。

また、先ほど述べた通り、本格派推理小説の再興のブームの火付け役になった作品でもあります。

ちなみに、「館シリーズ」は一巻ごとに基本的には完結しており、どの巻から読んでも良いのですが、できれば1作目のこの本から読むことをおすすめします。

<あらすじ>
十角形の奇妙な館が建つ無人の孤島・角島。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に島にある青屋敷で焼死したという。焼け跡から中村夫妻と使用人夫妻の他殺体も発見された。

その角島を大学の推理小説研究会の7人が訪れる。彼らの目当ては半年前に事件が起こった青屋敷跡と、島に唯一残る「十角館」と呼ばれる建物。彼らはそんな島で1週間を過ごそうというのだ。

やがて学生たちを襲う連続殺人。推理小説研究会の彼らは犯人を突き止められるか。

孤島での連続殺人、謎を感じる洋館、推理小説マニアな学生と舞台も役者も揃っています。

さすが、ブームを再興した作品というだけあって面白く、結末もびっくりするものとなっています。

今回の新装改訂版は、作者自身が、プロットもディテールも文体も基本的には変えずに、デビュー作ゆえの部分を細やかに手直しをし、読みやすくしたものとなっています。

綾辻氏自身があとがきで、「本書をもって『十角館の殺人』の決定版とするつもりでいる」と書いている通りの素晴らしい作品です。

ミステリ好きの方には本当におすすめできますので、まだ読んでいない方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

気になった方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

では。