石黒耀 著「死都日本」(講談社文庫)リアリティある火山災害小説!

こんにちは、ゆうじんです。

書店で名前につられてホラー?かと思い手を出してみて、ジャンルは違ったのですが興味を持ったので購入した本を読み切りました。読了後、とても考えさせられたので、皆さんにもご紹介したいと思います。

それは、石黒耀氏著の「死都日本」です。

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石黒耀とは

作品をご紹介する前に、著者の石黒氏をご紹介します。石黒 耀(いしぐろ あきら)氏は、作家であり、現役の内科医さんです。ちなみに、ペンネームは「黒曜石」のアナグラムとのこと。

代表的な作品は、「死都日本」(=霧島噴火を扱った作品、2002年出版)、「震災列島」(=東海地震を扱った作品、2004年出版)、「富士覚醒」(富士山噴火を扱った作品、2006年出版)などがあり、震災による災害を扱った作品が多いです。科学的根拠を踏まえた地学小説は高く評価されています。

死都日本とは

「死都日本」は、そんな石黒氏のデビュー作にあたり、2002年に発表された作品です。

日本には数万年に1回の頻度で、噴出物の体積が100km3を超えるような巨大噴火を起こしてきた火山がありますが、そのような巨大噴火が現代の日本で起きたらどうなるのかというシミュレーションを行った小説です。

(あらすじ)
 西暦20XX年、日本は不況の真っ只中であった。そんなとき、宮崎県沖で大きな地震が発生。その翌日から霧島火山周辺で群発地震が発生する。それは、30万年前に巨大噴火を起こし南九州を焼き尽くした加久藤火山が今また破局的な大噴火=「破局噴火」を起こそうとしている前兆だった。
 噴火は霧島火山帯で始まった。大規模な火砕流、火山灰により南九州は壊滅、被害は日本全土に及ぶ。さらに噴煙は国境を越え北半球を覆っていく。果たして日本はどうなっていくのか、、、。

ちなみに、この小説を原作として、漫画も作られています。「カグツチ」という題名で週刊少年マガジンに連載されました。

私の感想は

本作には、科学的な根拠や解説があり、とてもリアリティがありました。火山災害での起こりうる未来図を、一般の読者に物語としてわかりやすく描いており、私も一気に読了してしました。

小説としての魅力としては、まず、圧倒的な火山災害が詳細に描かれている点です。火砕流にともなうブラスト、サージ、二次爆発、ラハール、灰神楽などの現象が、最新の火山学の知識に基づいて物語に盛り込まれています。

また、災害を描くだけではなく、他にも小説的な魅力があります。大昔に起こった火山災害が、古事記などの神話に痕跡として描かれているのを読み解いたり、首相をはじめとするブレーンたちが災害から復興を目指す戦略が驚くような内容であったりなど、魅力は他にも十分ありました。

読了後、本作が発表された2002年以降、各地で起こっている震災を考えると、個人的には警鐘としてのメッセージを強く感じざるを得ませんでした。

「日本には全国で活火山が108山あり、世界の活火山の7%を占めている」という事実を踏まえ、災害に備える準備と心構えを新たにしたいと思います。

色々考えさせられる小説であることは間違いないと思います。気になった方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

では。

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