ウィリアム・ギブスン「ニューロマンサー」サイバーパンクの傑作小説

こんにちは、ゆうじんです。

GWにSFチックな映画を見すぎたせいか、もっともっと見たいなあと気分が盛り上がっています。

とはいえ、仕事も始まったので、通勤時間にこちらの本を再読して気持ちをおさめています。それは、ウィリアム・ギブスンの「ニューロマンサー」です。

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫) [ ウィリアム・ギブソン ]

 

ニューロマンサーは、言わずもがな、サイバーパンクSFのジャンルの原点となります。映画「マトリックス」も、「攻殻機動隊」も生まれなかったと言っても過言ではありません。

小説「ニューロマンサー」とは

「ニューロマンサー」(原題:Neuromancer)はウィリアム・ギブスンのサイバーパンクSF小説です。1984年に出版されました。ネビュラ賞、フィリップ・K・ディック賞、ヒューゴー賞を受賞しています。

<あらすじ>
 かつては、電脳空間に意識ごとジャック・インして企業情報を盗み出すコンピューター・カウボーイだったケイスは、依頼主との契約違反の制裁として脳神経を焼かれ、ジャック・イン能力を失った。そして、ハイテクと汚濁の都、千葉シティでチンピラのような空虚な日々を送っていた。
 だがそのジャック・イン能力の再生の代償として、ヤバい仕事の話が舞いこんできた。ある特殊な任務のため、選ばれた人材を集め、チームを組織しているのだ。依頼を受けたケイスは、チームの一員となり、電脳未来の暗黒面へと引きこまれていくが……。

私の感想「内容は難しいが最高!」

初めてニューロマンサーを読んだときは、正直、意味がよくわかりませんでした。特に、中盤ぐらいからチンプンカンプンでわけがわからず、途中で投げ出してしまいました。

しかし、その後、何回も読んでは挫折しを繰り返し、サイバーパンクSFが映像化されたものを見て、私の中のイメージが追いついてきて、また読むといったことを繰り返していくうちに、徐々に内容がわかってきました。

私にとって、このハードルは高く楽しめるようになるまで相当時間がかかりました。しかし、内容がわかってくると、その外連味やかっこよさにしびれます。そういう意味で、おそらく初心者向きではないのだろうと思いますが、サイバーパンクが好きな方にはたまらないと思います。

また、小説の中で描かれている世界の雰囲気や言葉のかっこよさ、ガジェットなどは、最初から「新しい!」というのは感じていました。全編にそれらがちりばめられています。

例えば、攻殻機動隊の攻性防壁と同じものが出てきていたりします。本作では「氷(アイス)」という略称ですが、重要なデータやネットワークを不正なアクセスから守るためのセキュリティシステムでハッカーの脳を焼き切り死に至らしめます。このように、今のサイバーパンク作品にも多大な影響を与えているものが数多くあります。

スマホなどの情報端末を個人が常時持っている今読んでも、そのイメージの新しさや斬新さにはドキドキすると思いますが、この作品が書かれた1984年はまだまだインターネットが一般的ではなかった時代です。そんな時代に、ネット空間に意識が入っていくというイメージをよくここまで表現することができたなあと率直に感心します。天才だと思います。

「ニューロマンサー」は、サイバーパンクSFの源流として評価され続ける作品であることは間違いないと思います。

気になった方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

では。