こんにちは、ゆうじんです。
お待たせしました返校 -Detention-(ヘンコウ・ディテンション)攻略記(その21)です。
今回は、返校 -Detention-(ヘンコウ・ディテンション)攻略記の最終回となります。辛い記憶を思い出したレイですが、まだ何か忘れているような気がします。どんな結末であっても、レイを巡る物語を最後まで見届けたいと思います。ぜひ最後までご声援のほどお願いいたします。
さて、前回、自分の過去を追い求め、さらに校舎を探索したレイ。自分の過去と向き合った結果、読書会のリストを漏らしたのがレイだったと思い出します。愛するチャン先生が冷たくなったのは、イン先生のせいだと思ったレイは、彼女を陥れるために密告をしていたのでした。
その結果、レイは「チクリ魔」とそしられ、愛するチャン先生は死刑、仲の良かったウェイ君は懲役刑となります。あまりの衝撃に動揺するレイは校舎に戻りますが、その目の前を知らない男性が歩いていきます。レイは記憶を全て取り戻すために男性の後をついていきます。レイはまだ思い出していない、知らない事実があるようです。今回は、それらを探して全ての謎を解きましょう。
では、はじまり〜、はじまり〜。
※本攻略記はネタバレありのプレイ日記ですので、未プレイの方はご注意ください。また、文中のキャラクターの発言・行動は、ゲーム内での会話や行動をそのまま使っている以外に、筆者が脳内補完している部分がありますので、ご容赦ください。
男性を追いかけて
レイが校舎に戻ると、あの中年男性が歩いています。レイは男性の後をつけて行きます。
男性は階段を登っていくので、レイもその後に続いていきます。
階段を上ると、そこはなぜか屋上です。レイは屋上で男性の姿を探します。
すると、男性は屋上の手すりに寄りかかり、タバコを吸っています。男性は何か感慨にふけっているように見えます。
レイが近づいて男性をよく見ようとすると、男性の姿はかき消え、世界はモノトーンに変わります。
男性の正体が何なのか気になりますが、仕方なく、レイは屋上から降りることにします。
チャン先生の本当の気持ちを知る
階段を降りると、先ほどまでと景色がまったく違っています。戸惑うレイですが、足元に何かが落ちています。
拾ってみるとそれは『古びた紙の紙飛行機』です。紙には「白鹿より、僕の白スイセンへ… 運命がきみと僕を分かつ。なら、来世でまた巡り会おう。僕たちの自由のために」とあります。
レイとチャン先生の間では、“白鹿”とはチャン先生、“白スイセン”とはレイのことを現していました。つまり、これはチャン先生からレイへの手紙です。チャン先生から急に冷たくなったのに、来世でまた巡り会おうとはどういうことでしょうか。先生は何かをレイに隠していたのでしょうか。知りたい気持ちがこみ上げます。
階段を降りると、そこには扉があります。レイはその扉を開きます。
すると、画面が暗転してメッセージが現れます。
『ここを開けろ!チャン・ミンホイ!貴様には反政府的思想を広めた嫌疑がある。禁書を密輸した上、違法な集会を組織しただろう。裁判所にも、既に証拠は挙がっている。貴様は国家反逆の容疑で逮捕する!抵抗するな、極悪人め!」
どうやらチャン先生が逮捕されるときの状況のようです。自分が引き起こしたことだと考えるとレイの胸は痛みます。画面が明るくなると、そこは生徒指導の部屋で、チャン先生が机に向かって座っています。
レイが声をかけられずにいると、チャン先生は苦悩を独白します。
チャン先生「どうやら今度こそおしまいだな… いいさ… 命は惜しくない。兄弟があの世で迎えてくれるさ… …はぁ。…なぜだ?人にはみな自由に生きる権利があるはずだ。禁忌や恐怖に縛られず、本音で考え、話しあう… 信仰の自由、愛する自由、自己実現の自由。」
チャン先生は、今の社会への苦悩を感じています。だからこそ、自分が正しいと思った読書会を開催していたのです。そして、チャン先生は逮捕を前にレイとのことも語り出します。
チャン先生「きみと一緒にいるのは、最も単純な形の純粋な幸福だった。想像せずにはいられなかった… きみと手を取り合って、安らかに暮らせたら… でも結局、夢物語にすぎなかった。僕もまた、うぬぼれた白いスイセンだったというわけか。この世界に、僕たちみたいな人間の居場所はないんだ。」
どうやらチャン先生は、レイのことを本当に愛していたようです。そして、その愛は最後まで消えていませんでした。つまり、チャン先生が急に冷たくなったのは、レイのことが嫌いになったためでも、イン先生を好きになったためでもなかったです。そう考えると、チャン先生が急に冷たくなったのは『巻き込みたくなかった』以外考えられません。
チャン先生はレイへの気持ちを語り終えると、徐々にその姿が消えていきます。
そして、先生が消えた後、画面が暗転し、メッセージが現れます。
『鮮血の川に染まったスイセンは、さびのように朽ち、無に帰した。』
うーん、厳しいですね。チャン先生の本当の気持ちがわかり謎は解けましたが、先生が死刑になってしまったのは変わりないので、個人的には救いというよりも、一層悲劇さが深まった気がします。愛するが故に遠ざけた結果、誤解から破滅を招いてしまった。。。悲しい物語です。
中年男性の正体は…
画面が再び明るさを取り戻します。すると、晴天の屋外の景色が現れます。そこには“翠華山林”と書かれた大きな看板があります。
レイたちの通っていた学校の名前が“翠華高校”だったので何か関係があるかもと見ていると、そこにあの中年男性が現れます。
男性が画面の中央にくると、なんと男性が操作できるようになります。びっくりしますが、とりあえず情報収集のため男性が持っていたノートを調べてみます。すると、驚きの事実を知ります。
ノートには、たくさんのメモが貼り付けられていました。その一つに『恩赦証明書』があります。そこに書かれている氏名は「ウェイ・チャンティン」です。なんと、この中年男性は、恩赦を受けて服役を終えたウェイ君だったのです。講堂でウェイ君が死んだように見えていました(攻略記その4参照)が、それはレイにとってそう見えていただけで、ウェイ君は生き延びていたのです。
驚きながらノートの次のページをめくるとそこには日記も書かれています。これまでのつらい日々が綴られていました。
『刑務所で死ぬものと思っていたが、まさか戒厳令を過ぎても生き延びれたとは。人は僕のことを政治の犠牲者と言う。僕の罪状はなかったことになってが、青年時代は遠い昔。奪われた日々は二度と取り戻せない。』
次のページには『黄色くなった手紙』が貼られていました。どうやら、ウェイ君のお父さんからの手紙です。
『我が息子、チャンティンへ 日頃から病と死に向き合っている私でも、深い悲しみで一杯です。お母さんの病気はどうしても治せませんでした。苦しまずに、安らかに眠ってくれることを祈るばかりです。人の身体が物理的に拘束されることはあっても、心はいつでも、望む場所へ自由に行くことができます。この状況にあっても、きみが心のどこかに安らぎを見つけられるよう、父として祈っています。身体に気をつけて。 父、ジアジンより』
刑務所にいる息子を励ます手紙のようです。ウェイ君の父親の愛情を感じるとともに、母親の病が重い様子もわかります。そして、次のページでさらに悲しい事実がわかります。
『とうとう、母さんは逝ってしまった。父さんは死を受け止めきれず、診療所を閉めてしまった。父さんからの心のこもった手紙に、本当に慰められた。僕の人生で最も暗い日々を、家族が支えてくれた。』
どうやらウェイ君のお母さんは刑期中に亡くなってしまったようです。ウェイ君だけではなく彼の家族もつらい体験をされていました。
次のページは、ウェイ君とチャン先生へ判決を伝える紙です。これはレイが見つけたものと同じです。
判決の紙の次のページには、ウェイ君の気持ちが書かれていました。
『たった一枚の紙によって、僕の人生から十五年が奪われた。憲兵が来たときのことは、今でも鮮明に覚えている。僕は母さんの目の前で連行された。それっきり母さんの顔を見ることができなくなることを、その瞬間はわかっていなかった。』
逮捕されてから一度も母親と会えなかったようです。。。
次のページは、亡命したイン先生のその後を伝える新聞の切り抜きです。これも、レイが見つけたのと同じものです。
次のページには新聞記事について、ウェイ君の補足が書かれていました。
『刑務所から出てから、イン先生と連絡を取ることはできなかった。あとになって、先生が外国で肺癌になって死んだと聞いた時には信じられなかった。母のこともなかなか実感できず、遺骨をこの目で見てやっと、僕の心から大切な人との時間が奪われたことに気づかされた。』
そして、次のページには、レイが音楽室で見つけたメモが挟まれています。“彼女=レイ”が自ら命を絶ったことが書かれていたメモです。
そして、最後のページにウェイ君の今の気持ちが書かれています。
『当時、僕が抱いていた感情が何であれ、もうこの胸に残っているのは痛みと悲しみだけ。』
ウェイ君には、レイへの淡い恋心もあったと思いますし、密告者としての憎悪もあったはずです。しかし、長い時が過ぎ、そういう愛憎は消え去り、胸には痛みと悲しみだけしかないということでしょう。深い喪失感にかられます。
ノートの確認が終わったので、大人になったウェイ君を操作して、先へ進めます。
ひとり永遠にさまよい続ける
大人になったウェイ君が先へ進むと、警備員の詰所だった建物がありますが、今は作業員の宿泊所になっています。
よく見ると、建物には工事を知らせる看板が立てかけられています。どうやら建物は壊される予定のようです。
大人になったウェイ君「悲しいな、取り壊しなんて。みんな壊されてしまう…」
ウェイ君の気持ちをどう捉えていいか難しいですが、つらい時代を示すものがどんどん壊され、無くなっていくことへの危惧感なのでしょうか。。。
そして、ウェイ君がさらに進むと、老婆とすれ違います。老婆は独り言をつぶやいています。
老婆「天国は閉ざされ、地獄にもたどり着けず… あの子はひとり、永遠にさまよいつづける… かわいそうに…」
この老婆、、、レイが悪霊に倒されたときに何度も現れ、ヒントをくれていた老婆では、、、。正体はわかりませんが、老婆の独り言はレイのことを言っているのでしょう。つまり、自殺したレイは天国にも地獄にもいけず、その場にとどまり永遠にさまよい続けると言っています。地縛霊みたいなものでしょうか。地縛霊のレイは救いを求めて何度も何度も同じことを繰り返していた。一種のループものと言ってもいいのかもしれません。だから、レイは自分自身の影を何度も見かけたのです。これまでわからなかった謎が氷解します。
そして、さらに進んだウェイ君は大きな菩提樹が伐られているのを目撃します。レイが『読書会のリスト』をバイ教官に漏らした場所です。
大人になったウェイ君「あの大きな菩提樹が伐られてしまった… 幾多の嵐を切り抜けた老木にも人の欲望という刃に対抗する術は持てなかったということか…」
ウェイ君はこの世の無常感を感じます。そして、講堂の中へ入っていきます。
エンディング… 学校へ戻る
講堂は長い年月が経ち、中はボロボロになり、落書きなどもあります。
ウェイ君を講堂の中央へ向けて進めて行くと、制作スタッフの名前が入り出します。キャラクターを動かせる間に流れ出す演出に驚きますが、デザインもかっこ良く芸術的な感じも受けます。
そして、ウェイ君が講堂の中央までくると、壇上を見つめながら呟きます。
大人になったウェイ君「すべて朽ちていく… 時の流れによって… 僕もそうだ。時間からは逃れられない。」
そして、講堂の外へ出る扉があるので、先へ進みます。
そして、ウェイ君は緩やかな坂を登って、校舎にたどり着きます。
校舎も時の流れにさらされ、ボロボロになっています。その中を、ウェイ君を操作していきます。校舎に入るとスタッフクレジットは流れなくなります。
そして、1階の廊下を歩き、2階へ上がります。
3階への階段は閉じられているので、2階の廊下を歩いてみます。
すると、扉の開いている教室があります。そういえば、ここはウェイ君の教室だった場所です。
教室の中に入ると、綺麗な夕日が窓から差し込んでいます。
教室の中央には机と椅子が2脚おかれています。
ウェイ君はゆっくりと近づき、椅子に座ります。
しばらくすると、向かいの椅子にレイの姿が徐々に現れます。そして、夕日に照らされながら、二人は無言のまま向き合っています。
刑期を終えたウェイ君が学校に帰ってきたことで、地縛霊として何度も救いを求めて真実を探していたレイに変化が起こり、ループを抜けることができたということでしょう。ゲーム名の“返校”とは、ウェイ君が学校に帰ってきたことを現していたのだと思います。
これまで張り巡らされた謎のつながりに感嘆し、レイを巡る悲劇に思いを巡らせていると、徐々に画面が暗くなっていきます。
画面が暗くなると、スタッフロールが流れ出します。これでゲームは終了となります。
謝辞&あとがき
これで、レイを中心とした悲劇の物語は終了となります。駄文にもかかわらず、最後まで読んでいただいた皆様、本当にありがとうございました。主人公自身が自分の置かれた環境をわからず、徐々に謎が解けていく巧みなストーリー展開ですが、ゲームの面白さが十分伝わらなかったとしたら、全て私の書き方が悪いためです。何卒ご容赦ください。
最後までプレイして初めて、最初から最後まで巧妙に伏線が張られていたとわかります。また、当時の時代背景を踏まえて、悲劇としてもとても質の高い内容だったと思います。登場キャラクター全員にとって、それぞれに深い物語があるように思いました。プレイの時間は短いですが、とても面白かったです。未プレイの方にはぜひ遊んでいただければと思います。
当初、友人から「短編だから攻略記にいいかもよ」と言われて気軽に始めましたが、途中で猛省しました。正直、事実なのか、何かの暗喩なのかわからない出来事が時系列も前後して現れ、私では書ききれないと挫折しそうになりました。それでもなんとか最後まで書ききることができましたのは、ひとえにブログを読んでいただいている皆さんのお陰です。本当に皆さん最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
では。